オランダ・秋の美しいガーデンを訪ねて(後半)
オランダへはカタール航空、今年サッカーのワールドカップが行われていたドーハのハマド空港乗継ぎで行きました。夜便だったこともあり、出発の成田空港は閑散としていましたが、ハマド空港は巨大なハブ空港で世界中から飛行機が離着陸していて、私たちが乗るCゲートだけでも90以上あり、ゲート内をモノレールが走っていました。数年前に一度乗り継いでドイツに行きましたが、その時は何もないガランとした空港だったのに物凄く進化していて驚きました。乗り継ぎもスムーズで、順調にオランダのアムステルダムに到着しました。
ご存知のようにオランダは運河の国、海抜0m地帯。車を走らせると牧歌的な風景と陸地ぎりぎりまで高い水量の水路が張り巡らされています。手配していた車に乗り、早速市内空港からも近いThijssePark(ティセパーク)という公共の公園に行きました。小雨が降る中でしたが、色づき始めた様々な木々や草花が咲き豊かな植生です。パーク内には、なみなみと溢れるほどの水量の水路が印象的でした。そこで管理をしている方達に偶然遭遇してお話を伺いました。
宿泊は丁度8ルームある素敵なヴィラを見つけそこに3泊、その後ホテルに2泊しました。スーパーで食料を調達し、好きなものをたくさん買い込んだので3日分十分な量でした。大きなリビングが3か所もあり、自炊のできる大きなキッチンもあり皆大喜び!部屋もそれぞれ素敵で幾つになっても女性はこんな雰囲気が楽しくて、初日からハイテンションでした。
2日目はフロリア―ド、3日目はいよいよピート・アウドルフ氏デザインのガーデンめぐりです。近年日本のガーデナーやガーデン愛好家の方々から注目の的となっているナチュラリスティックという手法でデザインされたガーデンを世界に広めたのがオランダのピート・アウドルフ氏。今世界で最も尊敬されるガーデンデザイナーのおひとりです。氏のデザインする本場オランダのガーデンとご自宅のお庭を見学する、というのが今回の大きな目的でしたのでわくわくしながら出発しました。
最初に訪ねたのは、ワッセナーのVoorlinden(フォールリンデン)という現代アートの美術館を囲むように植栽されたガーデン。かなり広くて見応えがありました。ピート氏の植栽は自然風でオーナメンタルグラス(観賞用のグラス)を中心に様々な葉や小花が同系色や癒しの色にまとめられ、目出しの春から晩秋の濃いブラウンの葉やシードヘッドまでもアートのように美しく感じさせてくれるようにデザインされています。今回行った9月末から10月初旬はグラスの穂が風になびくとても素敵な季節でした。何枚かの写真でそれを感じでいただけたら幸いです。
フォールリンデン ミュージアム(Voorlinden Musseum)
建物を囲むように植栽されたナチュラリスティックガーデン
次に行った美しいガーデンは、ユトレヒトのVlinderhof(フリンダーホフ)いう広い公園で午後の夕陽の差し掛かる時間にグラスがキラキラ輝きその中を子供たちが走りまわる風景に感動しました。道を訪ねたおじいちゃんとふたりのお孫さんと一緒に渡った手動の橋も楽しい思い出になりました。グラスのガーデンにはどこか子供の頃を思いだすような懐かしさもありました。
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おじいちゃんとふたりのお孫さんが、ローブを引いて向こう岸に運んでくれました
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フリンダーホフガーデン(Vlinderhof Garden)
芝生の緑が引き立てる多彩な植物の重なりあう風景
さて、いよいよ次に訪ねたのはピート・アウドルフ氏のご自宅です。奥からゆっくり歩いていらしたのはピート氏ご本人。憧れのピート・アウドルフ氏に会えた感激で、皆さん目がキラキラ輝き、潤んでいるようでした。まずお庭をゆっくり一緒に回りましたが、まるで何回も見た映画「FIVE SEASONS ガーデン・オブ・ピート・アウドルフ」を見ているようでした。その後オフィスでピートさんのデザインするガーデンの図面を見せていただいたり、一人一人一緒に写真を撮り、ガーデンブックやパンフレットにサインをいただきました。最後に各自もう一度ガーデンを見学。夢のような時間でした。
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サインをいただいたピートアウドルフ氏のガーデンブックと一緒に
憧れのピートアウドルフ氏のご自宅のガーデン
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北海道のガーデナー有志のみなさんと一緒に憧れの人を囲んでの集合写真
そして最後に訪ねたのは、3番目のピート氏デザインのガーデン。こちらのSINGER LAREN(シンガーラーレン)はアムステルダム市内に近い場所にある美術館の屋上と前庭。ガーデンの中にあるオブジェが植栽を引き立て、のんびりとガーデンを眺めながらビールをいただきたくなるような雰囲気があり、夕暮れ時にリラックスできる場所としてもお勧めです。
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シンガーラーレン ( SINGAR LARREN)屋上庭園とフロントガーデン
他にガーデンセンター、ナーセリー、なども訪ね最終日にやっとアムステルダムの街中でお買物。イメージする運河や跳ね橋や花市場はこの時初めて目にすることになり皆さんからは「わーオランダだー!!」という言葉が漏れました。
花旅コーディネーター 舩山 純(ふなやまますみ)