オランダ・秋の美しいガーデンを訪ねて
海外を旅することができなくなって3年目、やっとポツポツとヨーロッパへの旅も出始めた今年、オランダでは10年に1度開催となる「フロリアード・2022年アルメーレ国際園芸博覧会」が行われました。
私の周囲ではフロリア―ドに関わるプロの花関係者やガーデナーの方が渡航している事は知っていましたが、私自身がツアーを計画するにはまだまだリスクが高いため、今年も見送るしかないと思っていました。
そんな中、北海道のガーデナー有志のみなさん7人とオランダのガーデン視察の旅に行くことになりました。色々な難関はあったのですが、先に渡航され方々からの細かい情報収集に始まり、基本的に自己責任、最悪現地でのPCR検査で参加メンバーに陽性者が出て、ひとり残る可能性があることも視野に、逞しい方々が覚悟を決めて出発するという計画でした。
それでも、このような時期だからこそ有志で行こう!と計画できた旅でもあったので皆の気持ちが固まってから3ケ月、わくわくしながら何度も微調整をしてスケジュールを組んでいきました。 私は過去にイギリスのチェルシーフラワーショーへ何度か行きましたが、10年に1度のフロリア―ドを見学するのは初めてでした。
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世界最大級の花の祭典「フロリアード・2022年アルメーレ国際園芸博覧会」
会期は4月14日~10月9日、会場は60ヘクタールと広大で参加国は33か国でした。私たちが見学したのは入国2日目、生憎天気は雨が降ったり止んだりで、朝開園時間10時から17時過ぎまで外の植栽を中心にほぼ隅から隅まで2万歩位歩いたと記憶しています。
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フロリアードのメインストリート
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グリーン島のパビリオンのガーデン
靴の中は、ビショビショになってしまいました。今回のテーマは「成長する緑の都市」で環境に配慮した持続可能な技術を祝う博覧会ということで、様々な技術的な展示がありましたしアートとして楽しめる展示もありましたが、私たちが見たかったのは何といっても草花の植栽や建物の壁面などの植栽デザインでした。印象に残った植栽の写真をとりましたのでご覧ください。
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壁面緑化の緑の中にフクシアやエリゲロンがこんもり咲いていて素敵
さて、オランダの国土は日本の九州と同じ位と言われ大変コンパクトです。運河と牧歌的な景色が続きとても癒されます。チューリップの咲く春以外にオランダに花や庭を観にいらっしゃる方はまだまだ少ないのが現状ですが、オランダ人は園芸好きで大きなガーデンセンターがいくつもありますし、調べてみるとガーデンの数も想像以上に多くありました。
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フロリアードのメインタワー
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雨上がりの空に虹
そして、近年日本でも注目され始めているナチュラリスティックガーデン(芽出しから花が咲き枯れ行くまでのプロセスを楽しむ自然の植生を意識して取り入れたガーデン)のデザイナーとして世界を牽引するピート・アウドルフ(PietOudolf)氏の住まいやご自宅のガーデン(現在は未公開)。ピート氏のデザインする素晴らしいガーデンが多くあります。そしてその庭がもっとも輝く秋の美しさを見たい!というのが今回の大きな目的だったのです。今回めぐったピート・アウドルフ氏デザインする3か所のガーデンの中の2か所は美術館のガーデンでした。
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Voorlinden Museum
洗練された美術館の建物とピート・アウドルフ氏のデザインするナチュラリスティックガーデンは双方を引き立てあい大変素晴らしい景色を作り出していました。
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SINGER LAREN
また、このガーデンに多く取り入れられている草丈の高いグラス類やその穂が重なりあい、風に揺れる景色がなんとも美しく、皆が立ち尽くし見惚れてしまいました。
今回ご一緒した実際にガーデンをつくるガーデナーの皆さんに取っては見るもの全てが勉強になり刺激になり、庭をつくる上でのヒントになったのではないかと思いました。
私にとっても今回は、仕事ではなくプライベートでプロのガーデナーさんに交じってこのような目的を絞った旅に参加できた事はまたのない機会でしたし、大変幸せだったと思います。
その中にもうひとつ新な気づきがありました。それは、道端の草花などガーデナーさんとも相談して採取できそうな花を少し押し花ようにいただいて、現地で『乾燥マット・マルチS』を使い押し花にしてきました。いつものツアーでは見るだけの私ですが、実際に咲いている草花にさわってみることに何か新鮮な感動がありました。
次回はもう少し具体的に訪ねたガーデンのお話をしたいと思います。
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北海道のガーデナー有志のみなさんとSINGER LAREN美術館前
花旅コーディネーター 舩山 純(ふなやまますみ)